モロッコ シリーズ2 アイト・ベン・ハッドゥ
アトラス山脈の南麓にある「ワルザザート」に着く前に日干しレンガを造る村に
寄り道をしました。 モロッコの建物は、ほとんど、このレンガで造られています。
僕はモロッコに着いた当初、建物の外壁が皆ピンク色なのは、
当然ピンク色の化学塗料で塗装しているものだと思っていました。
違うンですね。このピンク色のレンガを積んだ上に、
同じ材料のピンク色の土を使った土壁塗りだったのです。
城塞を降りる頃、ちょうど台地の丘に夕日が当たって赤っぽく写っていますが、日の当たっていないピンク色が台地の本当の色です。
オアシスの本当の意味は、この様な川のほとりのことらしいです。
子供の頃からのイメージでは砂漠の中に忽然と現れる池がオアシスでしたが、
現実には、そんなことは無いそうです。
城塞の頂上からの景色です。
川の両岸の一部だけに緑が生えています。
約500年前アラブ勢力から逃れるため、
サハラ砂漠の先住民族ベルベル人が築いたカスバ(城塞)です。
アラビア半島の砂漠の民ベドウィンとは違う民族だと云うことでした。
村の出入口は一ヶ所だけです。まさに城塞の村ですね。
この「アイト・ベン・ハッドゥ」村は「スターウォーズ」「アラビアのロレンス」その他の多くの映画のロケ地としても有名です。
村と道路の間には川が流れています。しかし橋はありません。観光客を含めた全ての人は川の中に置かれた石の上を伝って渡るしか方法がありませんでした。
アトラス山脈を越えた南側の中腹にある世界遺産「アイト・ベン・ハッドゥ」村です。
土漠の台地の情景の中に突然現れました。
やっと「ティシュカ峠」です。
この日は曇が多かったのでアトラス山脈の最高峰4165mの「トゥブカル山」は確認出来ませんでした。しょうがないので看板など撮って見ました。この峠の標高は2260mです。
道の端にはガードレールなどありません。
落ちたら、引っ掛かる大きな木もありません。間違いなく死の世界が待っています。
つまり歴代の王様が皆ピンク色が好きだった訳では無く、
粘着力のある土としては、このピンク色の土しか無かったと云うことでしょう?
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山道を走るバスの中から撮影した、今登って来た道路です。
2009年10月28日
緑豊かなマラケシュの公園です。
この後、モロッコを南北に分けるアトラス山脈越えの山道に入りました。
現在、ここに住んでいるのは5家族だけだそうです。
このままでは、世界遺産が、どんどん傷んでいくので、モロッコ政府は住み着いてくれる家族を捜しているそうです。
峠を越えると風景がガラッと変わりました。
ほとんどピンクの土漠台地が続きますが、そんな中でも小さな沢のような川の廻りには緑が生えています。そして、小さな村が有ります。
私達がこの小さな村の前を通った時、ちょうど村の白いミナレットからアザーンが流れて来ました。アザーンは村人にイスラムの祈りの時刻を知らせるものですが、こんな小さな山里でも、村の中心はモスクなんですね。
そんな恐怖と緊張の山道ですがヒツジの群れに出会うときは、気が紛れました。