「カスバ街道」の左側のアトラス山脈の中です。
私達の観光バスは、この渓谷を見るためにだけ、寄り道をしました。
旅行中、乾燥ナツメヤシをグループの誰かが買って、それを皆に分けてくれるので僕も何度か食べましたが、レーズンよりもボリュームがあり、干し柿よりも堅くて、それでもって適度な甘さがあり、本当に飽きの来ない保存食でした。
土漠の台地の中を長い時間バス旅行をしていると、このナツメヤシの緑の中に埋もれたい気持ちになりました。
「トドラ川」と「カスバ街道」が交叉した処が、この「ティネリール」というオアシス町です。
普通、川の両岸はオリーブとナツメヤシの栽培地ですが、
ここのオアシスには野菜畑がありました。野菜は貴重品でしょうね。
カスバ街道とはアトラス山脈の南麓の町「ワルザザート」を起点に東に進みサハラ砂漠の玄関口「エルフード」までのカスバ(城塞)が点在する街道です。
これは「ワルザザート」の個人のカスバですがベルベル人の有力者だったので、フランス軍が戦略的に支援していました。豪勢なカスバですね。
これがナツメヤシの実です。ナツメヤシは大きくなるまで24〜25年かかるそうですが、
その後400年ほど砂漠地帯に住む人達の重要な栄養源になると云うことです。
1本のナツメヤシから年間100〜200kgの実がとれるので、
数本で何世帯もの家族が食べていけるそうです。
ヒトコブラクダの赤ちゃんが道端にいました。北アフリカのラクダは一こぶです。
アジアのラクダは二こぶなので乗りやすそうですが、
この一こぶラクダにはどうやって乗るのでしょうかね。
「ブーマルン・ダディス」を過ぎると「トドラ渓谷」に到着でした。
土漠の台地でも、アトラス山脈に降った少しの雨を集めて川が出来ます。
その川の上流に行けば、こんな渓谷がありました。
電気だけは来てるみたいですが、ガスも水道もスーパーマーケットも
コンビニも無い世界で暮らしてる人達が世界には沢山いるんですね。
オアシスと云うより田舎町と云う感じですが、普通の町と違うのは、
川から少し離れと、そこは土漠の台地が延々と広がっているからです。
カスバ街道を進むと「ブーマルン・ダディス」という大きなオアシスの町に着きました。
「ワルザザート」を出発して、しばらくすると小さなオアシスの町が現れました。
駐車場などありませんでしたが、観光バスは道端に止まってくれました。
ダディス川に沿って出来たオアシスの町です。
そのオアシスの町にあるカスバです。
これが典型的なカスバではないだろうか?と思いました。
ミナレットが無ければ、廃墟の町の様に見えなくもありません。
本当に人の住める範囲は狭そうです。