ミャンマー・カンボジア編

<ミャンマー3日目>

 今日も朝早くから移動です。飛行機に乗って、又、首都ヤンゴンに戻りました。でもヤンゴンって、あんまり観光する所が無いんでしょうね。その日、私達が案内されたのは、国立博物館と二ヶ所のパゴダだけです。その国立博物館には普通の日本の観光客が感動するような物は皆無と言っても良いでしょう。展示されているのは、イギリスの侵略を受ける前のビルマ王朝の宝物もしくは伝統工芸品なのですが、本当に価値が有る物は、かの侵略者大英帝国が皆奪い去っているので、残された僅かな物が展示されているだけです。だから逆に大英帝国のかつての身勝手さが、この中に強調されている様に、私には思える国立博物館でした。

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2001年4月29日〜5月5日

 世界の都市を訪ねていると、ほとんどの所で宗教的な建物や場所に案内されます。でも、それらは皆、過去の栄光の価値の方が大きく感じられます。そして日々の繁栄の中に、その価値を埋もれさせない様に努力している様に見うけられます。でもミャンマーでは、その繁栄そのものを追い求めるより、今の精神文化を大事にしている様に思えた私でした。
次の日は、ジャングルの中に、その過去の栄光が埋もれていた地方、カンボジアのシェムリアップです。

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でも、その大英帝国も奪うことが出来なかったのは、やはり民衆の信仰心だったのでしょう。ミャンマーで最後に訪れたパゴダには、軍治政権下にもかかわらず、いや、軍治政権下だからなのでしょうか、真に仏教が日々の生活に溶け込んでいる人達の暮らしぶりが私達にも感じられるような風景が有りました。そこはシュエダゴンパゴダと言ってヤンゴンの街の中です。中心にあの円錐形の黄金のパゴダが聳え立ち、その周りには同心円を描いて無数の小パゴダです。そして参拝者が歩く幾何学模様の大理石で出来た幅の広い石畳が、やはり円弧を描いてい一周してます。さらに、その外側には、法隆寺などに見られる回廊部分なのでしょう、大きな屋根の建物が軒を連ねて円周をなしています。つまり真上から見ると円形の伽藍になっているわけです。その東西南北の大門からは丘を下って町の中へ溶け込む、またもや大きな屋根の長い参道が、それぞれに伸びています。

 その四つの参道を通って、朝な夕なに街の人々がお参りに来るのでしょう。その日、私達が、そこを訪れたのは、夕げの支度に忙しい時間帯の4時から5時頃でした。でも境内には、あふれんばかりの街の人達で一杯でした。始め私は、この人の群れは、ミャンマー国内の観光客の人達なのかなって思ったのですが、よく見ると、買い物帰りや子供連れの近所の人達って感じでした。つまり特別な目的や行事の為ではなく、日常生活の延長上に、この場所が有るって感じなのです。見方を変えれば、仏教を通してしか日常生活が無いって思えるほどでした。