5、ロトルアのステーキハウス
 ゴルフとスパの後は、ロトルアの町の中で適当なレストランを見つけて晩飯を食べようと、二人でぶらぶらとホテルを出かけていきました。程なくするとステーキハウスと表示の有るレストランを見つけました。外から見ると、間口は広く無いけれど、奥行きがかなりあって、中は広々としていました。英語に自信がないので、不安げに玄関に入ると、誰も案内に来てくれません。二人して、ポカーンと玄関ホールで待っていると、ちょっと可愛げのある30歳代のウエイトレスがやっと気が付いてくれて、私達を中庭に面したテーブルに案内してくれました。
 そこに行って見て、始めて、このレストランのシステムが分かりました。カウンターの中には、かなりたくさんの種類のステーキ肉が並べてあります。その奥は厨房です。つまり、客は、そこで肉を選び、シェフに直に自分の好みの調理方法を告げるのです。 ひゃー!これは困ったぞ!本格的なステーキ屋さんだ。
 取り合えず、カミさんを呼んで二人で作戦会議です。やっぱニュージーランドだから子羊でしょ。でも、二人とも同じ肉だと面白くないので、一人はラム、ひとりはビーフにしました。その事をシェフに告げると、早口で何か聞いてきました。が、よく聞き取れません。聞き返すと、どうも部位と量を聞いているみたいです。さて、困ったぞ。値段は分からないし、ましてや部位など正確には知らないし。取り合えず「ビーフはサーロイン(言葉を知っているから)で120g」と云うと、「そんなに少なくて良いのか?」と云うので「じゃ、200g」と云ってしまいました。

イメージです

1996,12,28〜1997,1,4

ロトルア湖畔

 テーブルの数は30位でしょうか、半分位は客で埋まっていました。立ち歩く人などがいて、気楽な感じはしていました。しかし、待てど暮らせど誰もオーダーを取りに来てくれません。どうも変だなと思って、近くに来たウエイターを呼び止めました。そして「メニューを持って来て下さい」と云うと、「あなたは、あそこのカウンターに行ってオーダーしなければなりません」って云うじゃないですか。そのカウンターは社員食堂や学食のカウンターの様に厨房に向かって開いていました。確かに、そこには人が立っていて、カウンターの中の人と話しています。
 

キーウィフルーツワイン

前日こんな子羊に会ったのに食べるなんて

 次に、ソースや和え物、それに当然焼き具合を聞いてきます。私達に分かるのは焼き具合だけです。向こうも困っている様子なので、We will try your recommendations .と答えると「ふむふむ」と云う様な表情をして、それでも、尚かつソースはマッシュルームとガーリックのなんとかなんとかで、ホテトはなんたら、なんたらでどうか?とか聞くので、Everything OK.と答えた。最後にシェフは、「サラダは後ろのサラダバーから好きなだけ持って行ってくれ!」と云います。うちのカミさんは雰囲気で解ったのでしょう、後ろをちらっと見ると、急に笑顔になってシェフに日本語で挨拶していました。
 シェフにもらったオーダーメモを自分たちのテーブルのランプシェイドに吊すと、飲み物のオーダーを取りに来てくれました。そんなこんなで、なかなかお肉にありつけなかったけれど、私達が思うほど固くはなく、そこそこ美味しく頂くことが出来ました。ただ、びっくりしたのは、少し離れたテーブルの中年女性の二人ずれです。私達が初めテーブルに付いた時は、二人とも大きな肉の塊を無言で食べていましたが、オーダーから帰って来ると、二人はバケツからひっくり返したような量のポテトチップスをビール片手にばりばりと食べていました。それも、たっぷりのケチャップをぶっかけて。
 結局彼女達は、私達が店をでるまで、ポテトチップスとビールのお代わりをしながら、しゃべり続けていました。躯も大きいけど、食べる量もすごい!だから、ニュージーランドはあんなにたくさん羊や牛がいるのに、みんなキーウィーの胃袋に入っちゃうだろな?なんて思ってしまいました。